最近、まわりの人が旅行に行って「最高!」「よかった♡」「また行きたい☆」と言っているクロアチア。気になるけど、どこから手をつけたらよいかイメージがわかない!という方に、クロアチア旅行をより身近に感じていただくことを目的として、「クロアチア旅行・観光の基礎知識【概要編】」をまとめてみました。
治安や通貨など旅行に関連するクロアチアの国の概要、クロアチア旅行のベストシーズン、クロアチアを旅行するにあたり、必要な情報の概要をご案内しています。

アドリア海が美しすぎるクロアチア
2003年からクロアチア在住、これまで1000人以上のお客様や友人のクロアチア旅行の相談に乗ってきた管理人がご案内。最近、育児が一段落した友人や元同僚が、続々「クロアチアに旅行に行きたい!」といってくれるので、そんな大切な人たちを念頭に、クロアチア旅行初心者編基本情報を考えてみました。
クロアチア基本情報
1991年に旧ユーゴスラビアから独立、人口430万人(北海道の約70%)、国土面積5.6万平方キロ(北海道の約80%)、まだ日本ではあまりよく知られてないクロアチアCroatia(クロアチア語ではフルヴァツカHrvatska)の基本情報です。
クロアチアの地理情報と気候
クロアチアは、アドリア海をはさんでイタリアの東側、オーストリアからは、旧ユーゴで同じ国だったスロヴェニアをはさんで、南側に位置する、南東欧の小さな国です。
首都ザグレブZagregは北緯45.8度、北海道北端の宗谷岬よりさらに北、樺太(サハリン)南部と同じくらいの緯度に位置。内陸に位置するので、一日の気温の変化が大きい大陸性気候。冬は真冬日が続くこともあり、雪も降ります。ザグレブからウィーン、ブダペスト、ベネチア、ベオグラード、サラエヴォへはいずれも約400キロです。
一方、南部のドゥブロヴニクDubrovnikは北緯42.6度、北海道の苫小牧や帯広と同じくらいの緯度に位置していますが、地中海の一部アドリア海に面しているので、温暖な地中海性気候。
いずれも、夏場の最高気温は、37度近くなるときもありますが(1週間程度)、空気が乾燥しているので、屋内や日陰に入ると、ぐっと過ごしやすい一方、日差しはとても強いので、日焼け対策がかかせません。
治安はよいが、観光地はスリに注意!
基本的に、クロアチアの治安は、日本と同じくらいよいです。女性が一人で夜間歩いていても、原則、身の危険を感じることはありません。

ただ、観光客が多いドゥブロヴニクやスプリットなどアドリア海沿いの街では、特に夏場、スリの被害には要注意。また、近年、これまでは治安がよかった首都ザグレブやプリトヴィツェ国立公園内でも被害が増えてきているとのこと。
一般的には極めて治安はいいのですが、観光客がよく行くスポットで、サイフを出し入れするところ(チケット売り場など)で被害が発生しているそうです。置き引きや、カフェやレストランでテーブルのうえにおいたスマホを取られるケースも発生しており、海外における一般的な警戒はしたほうがよさそうです。
両替は入国後!クロアチアの通貨はクーナHRK
クロアチアは2013年にEUに加盟しましたが、ユーロ圏にはまだ入っておらず、通貨はクーナのままです。観光立国なので、アドリア海のリゾート地や、観光客相手のお店では、ユーロを受け取ってくれる場合もありますが、お店によって、良心的なレートから、かなりボッているレートまでさまざま。

日本ではクーナに両替できませんが、クロアチア国内では、銀行や両替所があちこちにあり、日本円からも気軽に両替できます。
ATMも多数あって、便利にキャッシングできるので、クレジットカードを数枚用意して利用する以外は、適宜、クロアチアの現地通貨クーナを用意したほうがよさそうです。
【おまけ】クロアチアはまだシェンゲン協定域外!
クロアチアは、EU加盟国ですが、シェンゲン協定圏にはまだ入っていません。半年の間に3か月未満であれば、ビザなしで滞在可能です。シェンゲン協定域内の長期旅行などで、180日内で90日間以上の滞在になりそうな人も、今なら、さらに90日間、クロアチアで日数調整できます。
クロアチアの公用語はクロアチア語
クロアチアの公用語はクロアチア語、文字はローマ文字です。言語的には、ロシア語やポーランド語、チェコ語に似たスラヴ語の仲間で、超難解。単語を見てもちんぷんかんぷんです。

ただ、観光立国の小さな国で、小学1年生からコミュニケーション重視型の英語の授業があり、英語が堪能な人がとても多いので、心配はまったく無用。レストランやカフェなどお店の人はもちろん、タクシーの運転手さんや公共交通機関などは、最低でも、片言話せる人がほとんどです。
聞いたり話したりはOKなのですが、書いたり読んだりは、ペラペラ話している人でも苦手な場合が結構あるので、メールの返事が返ってこない、などは比較的よくあります。
クロアチアは夏のリゾート観光立国
日本では、まだあまり知られていませんが、旧ユーゴの時代から、クロアチアは、ヨーロッパでは有名な夏のビーチリゾート。秋から春にかけてどんよりとした天気で、太陽に飢えているヨーロッパ各地では、夏の日差しと美しい海を求めて、ヨーロッパ中からクロアチアのアドリア海を目指して多くのリゾート客が訪れます。

クロアチアの人口は430万人ですが、1300万人以上の観光客が訪れるリゾート立国。うち、6-9月で実に総宿泊数の87%を占め、7・8月の2か月だけで年間総宿泊数の62%が集中(自己所有する別荘や親戚宅に泊まる国内旅行者数は含まない)。訪問者数では、多い順にドイツ17%、スロヴェニア、イタリア、オーストリアがそれぞれ9%、チェコ6%、ポーランド5%、フランスとイギリスが各4%と続きます。
歴史的にも、クロアチア北部は、オーストリア・ハンガリー帝国の一部、アドリア海沿いはベネチア共和国の一部だったこともあり、内陸部と海岸部では、二つの違った趣が楽しめます。
クロアチア人は親日家が多い
クロアチアでは日本ファンが多く、日本人だとわかると、皆とても親切にしてくれます。

一方、中国人にはあまりよい感情を持っていない人もいるため、日本人アピールをさりげなくするとより快適に旅行ができます。
クロアチア旅行のベストシーズンは初夏から秋
個人的にお勧めは、5・6月と9月から10月前半。なかでも、6月と9月が特におすすめです。ゴールデンウィークやシルバーウィークも、国際線フライト料金は高いですが、クロアチア観光にはよい時期です。イベントも多く、特に週末のザグレブでは、民俗衣装の一団に偶然遭遇する可能性がぐっと高まります。
ちなみに、クロアチアの小中学校(8年制)と高校(4年制)は、6月15日前後から9月初旬まで夏休み。海辺への大移動が徐々に始まり、アドリア海沿岸エリアは賑わいます。


7-8月は、シーズン的にはよいのですが、ヨーロッパ中から夏のリゾートに人が押し寄せるので、ホテルなどの値段も高騰し、観光地は混雑、道路も渋滞するのが難点です。特に、7月中旬から8月中旬の1か月は、クロアチア観光のトップピークシーズンなので、覚悟が必要です。

10月中旬から11月上旬は紅葉が美しい季節です。4月から5月も春の花が咲き乱れる美しい季節ですが、お天気が不安定だったり、寒い日もあります。
12月は、日は短く寒いのですが、クリスマス市や屋外スケートリンクが雰囲気たっぷり。10月初めに予約をすれば、毎年恒例鉄板人気のバレー「くるみ割り人形」を激カワイイ国立劇場で観劇することもできます。

クロアチア旅行には7泊8日以上ほしい
日本からの標準的な旅行プランは7泊8日、できれば10日から2週間程度あればちょっとゆっくり堪能できます。ごくまれに、弾丸ツアーで現地2-3泊の方もいらっしゃいます。リタイア旅行や転職の機会を利用して、1か月以上のんびり滞在される方も結構いらっしゃいます(夏の避暑にぴったりです)。
日本からクロアチアへの片道フライトは、1回乗り継ぎで、最短約12時間。ヨーロッパに一度来てしまうと、日帰りや1-3泊であちこち気軽に旅行できるので、せっかくなら、ゆっくりご旅行できるといいですね。
団体ツアーか個人旅行か
団体ツアーだと、あれこれ考えなくても観光地にたどり着け、見どころの説明も、おすすめ料理の選択もおまかせ、しかも日本語だけで済むだけでなく、お金の心配もお土産やドリンク程度ですむので、超ラクです。
一方、かなり長い距離をバスであちこち移動するので、結構疲れて、最後のほうはもうどうでもよくなった、という話も聞きます。

クロアチアは、比較的治安がよく、特に夏場は公共交通機関の便も改善してきているので、個人旅行でも、事前準備をきちんとしておけば、安全・快適に旅行することができます。しかも、自分のペースで見たいものをみて、食べたいものを食べられ、失敗や苦労話も含め、思い出いっぱいの旅行になること、間違いなし。弊宿のお客様も、リピーター様が多い、魅力にあふれた国です。
周遊型か滞在型か?

大きな荷物をもって移動しなくてよいので、各段にラクなのは滞在型。アパートメントやソベに宿泊すれば、ホテル2-3泊の料金で1週間程度利用でき、コスパ大で快適。
さらに、ザグレブはタクシー代も格安なので、バスターミナルや空港へのアクセスも安く短時間。滞在型の旅行がますます身近になっています。
一方、荷物が少ないバックパッカーの方や、少ない時間であちこち見てまわりたい旅行者、体力に自信のある方やレンタカー派には、周遊型もおすすめです。
1週間千円以下のSIMカードが旅行に便利!クロアチアの通信事情
クロアチアでは、フリーWiFiが、カフェやホテル、空港、街中など、比較的、あちこちで使えて便利です。ただ、毎回、パスワードを設定するのが少しわずらわしいほか、旅先でチケット購入などのオンライン決済をスマホでする際は、セキュリティ面で要注意かもしれません。
SIMフリースマホやポケットWiFi端末をお持ちの場合、観光大国クロアチアでは、観光客向けの格安でSIMカードが発売、簡単な設定で使うことができて大変便利です。
シニアも満喫!クロアチアのビーチ事情
砂利浜、岩浜が多いので、砂まみれにならず楽ちんなのが、クロアチアン・ビーチのいいところ。ただ、足の裏が痛いので、ビーチサンダルはかかせません。

クロアチアでは、60代でも70代でも、太っていても、皆、ビーチを大満喫。
女性の場合、水着はビキニが便利です(更衣室がないところが多いので)。日陰がない場合もあるので、日傘もあると便利。

ヌーディストビーチでは、生まれたままの姿で泳げます!(年配の方の利用が多いようです)
おわりに
リゾート大国なのですが、なぜかあまり観光地ずれしておらず、ちょっとおせっかいなくらいひとなつこく、とっておきの風景があちこちにあふれているクロアチア。今のところまだ治安もよいので「海外旅行で、治安がいいのがこんなに楽だとは思わなかった」「あくせく観光地めぐりをするのではなく、のんびりぶらぶら街歩きをしたのがとても楽しめた」「是非また来たいです」とおっしゃっていただくことがよくあります。
クロアチアの旅行、ここ数年の変化はめざましいものがあります。季節ごとの変動も大きいので、下のメルマガをご登録いただくと、クロアチア観光情報の新着・更新情報をお知らせいたします。
また、記事にするほどでもない一過性の季節のイベントや注意などは、メルマガや弊宿フェイスブックページでお知らせ、折々の写真はインスタグラムでアップしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。どうぞ素敵なクロアチア旅行になりますように!
コメント
はじめまして!
2月中旬に息子がクロアチアに行くことになり、クロアチア情報を掻き集めている親バカです。お恥ずかしながら全くノーマークの未知の国でした。
しかし、しかしです‼️なんと素敵な美しい国なんでしょう。アドリア海のあの美しい街並みはクロアチアだったのですね。まあネット等で見る限りですが。と思いきや、、、、息子が、お世話になるクロアチア在住の方と面談し、それは好印象を受け、やる気満々です‼️息子に会いに必ず行きます。という口実でクロアチア旅行を実現します。ザグレブ行きます。たくさんの情報、ありがとうございます続編も心待ちにしております。
こんにちは。今回のワールドカップで気になり、、、どんな国なのかしらと検索したら、こちらのサイトに出逢いました。とても魅力あふれる国ですね。いつか訪れる機会があればと思いました。素敵な情報をありがとうございました。
(きっと私のようサイト訪問者が急増するのではないでしょうか・・・)
書き込み、ありがとうございます!ワールドカップは本当に盛り上がりましたね!
地元の人間としては、最近、ちょっと観光地化が進みずぎ感が否めないのですが、素敵な国なので、ぜひいらしてくださいませ!
クロアチアの詳しい情報をご提供していただきましてありがとうございます。
私は大分県に住んでいる首藤と申します。
友人と2人で9月にヨーロッパ旅行を考えています。
予定は福岡からフィンランド航空直行便でヘルシンキに。8/31~9/7で北欧を回って(こちらは大体決めています。)
9/7にスイスへ。一週間の予定で友人の希望で「ユングフラウヨッホ」か「マッターホルン」と「ベルニナ鉄道」を。
その後、私の希望でクロアチアへと考えています。
クロアチアにはザグレブに5日間位滞在して「ドゥブロヴニク1泊」と「プリトヴィツェ国立公園」の2カ所を見れたらと思っています。
スイスからザグレブまでの一番行きやすい方法と、できればオススメのザグレブのお宿(日本人の方が経営しているところとか)を教えていただけませんか?
65才の2人旅で英語もできません。ヨーロッパは初めてです。
また、帰りもフィンランド航空を利用したいので、ザグレブからどこを経由するのがよいのでしょうか?
いろいろと書いてすみませんが、ご教示いただければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
大変申し訳ありません。いろいろバタバタしていて、いただいたコメントに気づいたのが、今(9月中旬)になってしまいました。お役に立てず、本当に申し訳ありません。
素敵なご旅行を楽しまれていますよう、心よりお祈り申し上げております。